熊谷博子 Hiroko KUMAGAI

東京都出身。1975年より番組制作会社のディレクターとして、戦争、麻薬などの社会問題を追ったドキュメンタリーを多数制作。『幻の全原爆フィルム日本人の手へ』(1982)他。85年にフリーの映像ジャーナリストに。戦下のアフガニスタンで、映画『よみがえれ カレーズ』(1989)を土本典昭氏と共同監督後、自らの育児体験をもとに『ふれあうまち』(1995)などを監督。日本最大だった三池炭鉱の歴史と“負の遺産”の意味を問いかけた『三池~終わらない炭鉱(やま)の物語』(2005)で、JCJ(日本ジャーナリスト会議)特別賞、日本映画復興奨励賞等を受賞。NHK・ETV特集『三池を抱きしめる女たち』(2013)では、戦後最悪の炭鉱事故に遭い、変わりはてた夫を抱えながら、半世紀以上も世の中と闘い続けている妻たちを描き、放送文化基金賞・最優秀賞、地方の時代映像祭奨励賞などを受賞。映画『作兵衛さんと日本を掘る』(2018)では、日本初の世界記憶遺産に登録された、筑豊の炭坑夫、山本作兵衛が残した絵と日記、そして周りの証言から、この国の変わらない労働と差別の構造を描いた。キネマ旬報文化映画ベスト10など。著書に「『やめたい病』にさようなら」(1996)「むかし原発 いま炭鉱」(2012)など。

作品歴

1989年

よみがえれカレーズ(記録社・シグロ)

  • 1989年度(第1回)山形国際ドキュメンタリー映画祭出品
  • 第3回東京国際映画祭・女性映画週間出品

1995年

ふれあうまち(シグロ)

  • 企画協力
    向島・オッテンゼン交流委員会
    (財)東京女性財団助成作品
    (財)放送文化基金助成作品
    (財)まちづくり市民財団助成作品
    国際交流基金助成作品
    墨田区助成作品

2005年

三池~終わらない炭鉱の物語(オフィス熊谷)

  • 2006年度 日本ジャーナリスト会議特別賞
  • 2006年度 日本映画復興賞奨励賞