2000年の10月から、「もんしぇん」の脚本を、監督の山本君、企画の玉井さんと僕の3人が中心になって書いて来ました。
脚本を書く、といっても、原作やあらすじが決まっている場合もあるのでしょうが、この映画の場合は、企画の玉井さんから始めに出て来たのは、天草を舞台にするということと、2、3の物語りのルールだけでした。
そこから3人でアイデアを出し、話し合って、物語を作って来た訳ですが、それは「どうしてこのルールがあるのだろう?」と問いかけることの繰り返しでした。
考えてみると、僕たちが気がついたら生きていたこの世界には、どうしても曲げようのないルールがたくさんあります。どうして物を食べないとお腹が減るのか? どうして男と女がいるのか? どうして人は成長して歳をとり、死ななければならないのか?
そうした世界のルールを読みとくために、世界の各地で物語りが生まれ、現代に語り継がれています。
僕たちが映画の物語を作って来たことも、世界の片隅のひとつの視点から、そのルールを読みとく作業だったような気がします。しかも、5年もの歳月をかけてしまったことで、その間にあった様々な出来事、自身の変化などがはからずもそこに含まれてしまいました。
それは、物語りが語られるときに、その時に生きている人間の体を通ることで、「生きてくる」ということに近い気がします。
この映画はそういうふうに僕たちが見て来た「世界」に対するひとつの解答であり、問いかけでもあります。そして、自分も含め、完成した映画を見たすべての人が新しい「語りベ」となって、この映画が触れた世界がさらに紡がれて行くことを願っています。
脚本・イメージ設計 海津研
