
アルコール依存症
――この病気を抱えた人たちとその家族の物語
1995
101分
製作:シグロ
監督:小池 征人
製作:山上 徹二郎、庄 幸司郎
プロデューサー:市原 啓子
撮影:清水 良雄
録音:弦巻 裕
- 1994年度芸術文化振興基金助成映画
アルコール依存症者4組のエピソード
カーテンが開けられ、早朝の光の中、アルコール依存症者とその家族たちの自助グループの会が始る。互いに酒をやめ続け、今日生きていることの喜びを確認しあうのだ。静かな時間が流れる中、カメラは大阪の街へ降下し、4組のエピソードを映し出す。

それぞれの人生が始まる
断酒歴2年の夫妻…暴力のない夫をアルコール依存症とは認められなかったと話す妻。すれ違ってきたお互いの関係を今から新しくやり直そうとしている。結婚式の写真がない2人は、妻の提案で記念写真をとる。
7年前、入院中に知り合った3人の仲間…3人の軽口や冗談の中には、同じ体験を持つ者にしかわからない優しさと厳しさがある。今、仲間の1人が院内で飲酒、離婚話も進む。「いよいよ第二の人生でんな」とアパートをさがす3人。
断酒歴12年の女性…断酒後2人の子供と夫と離別。女性酒害者の会の中で、アルコールに依存していった自分を静かにふりかえる。「私自身、子供を手放したことでアルコールからは免れているが、彼らがこれからどう生きていくのか」。
断酒歴17年の夫妻と病院の先生…夫はやめられない酒との闘いと、断酒を決意していった心の軌跡を。妻は子供を抱え、苦しみぬいた酒地獄の日々を。先生は1人の人間としてつきあってきた夫妻との長い歴史を。3人が三様にまるで昨日のことのように語りはじめる。
そして、アパートで1人暮しを始めた仲間は・・・・。
それぞれの人生がまた始まる。