
熱帯にすむ人々や動物のためになくてはならない
マングローブの林
1996
25分
製作:シグロ
監督:藤岡 朝子
撮影:丸池 納
ナレーター:細井 治
音楽:喜納 昌吉
プロデューサー:山上 徹二郎
種子は流れにのって
水平線の向こう、海のかなたから潮の流れに運ばれてくるマングローブの種子を知っているだろうか。潮の流れに身をまかせ、流れ着いた場所、新天地でマングローブの種子は大地に根を張り大きく育ち、ついには欝蒼とした森林を作り上げる。それはあたかも人類がかつて新天地を求めて移住し、そこに新たな生活を築いたのと同じである。
失われるマングローブ林
流れ行くマングローブの種子たちにとって、今はもう新天地はない。世界中の熱帯の沿岸は港湾の拡充、工場用地や農耕地のために、次から次へと埋め立てられ、マングローブにとっての新天地はなくなってしまったのだ。新天地ばかりか、元々生えていた場所すらも失われてしまった。熱帯の沿岸に緑豊かで多くの生き物たちが棲んでいた森、マングローブ林。その森を再び蘇らせようではないか。
思い出して欲しい
このビデオの映像を撮影したフィジーは南太平洋に浮がぶ小さな島国である。かつては自然の中で人々が生き生きと暮らしておりまさに「南国の楽園」だった。その楽園も今は変わりつつある。だが、フィジーのマングローブ林の中の「ダク」と呼ばれる小さな村には、かつて世界中のどこにでも見られた「自然の中での人々の営み」がまだ残っていた。
フィジーの「マングローブ林での人々の暮らしと自然のかかわり」の中から、日常生活に溺れ私達が失ってしまった自然の素晴らしさを知り、私達が今しなければいけないことを見つけ出したいものである。もし、このビデオを見た人が自分たちの忘れてしまった自然の素晴らしさを思い出してくれたら……それが私達の願いなのだ。