ボクの、おじさん

ボクの、おじさん
ピンク・フロイドの名曲「IF(もしも)…」にのせて
日本の90年代「〈父〉なき時代」を描く。

2000
116分

製作:シグロ
監督:東 陽一
原案:山上 徹二郎
脚本:東 陽一
製作:山上 徹二郎、庄幸 司郎
撮影:蔦井 孝洋
照明:武山 弘道

「〈父〉なき時代」を描く、日本映画の新しい挑戦。

14歳の少年の犯罪、親たちの離婚、都会と故郷、結婚しない女と男、父の不在、そしてバタフライナイフ……。2000年というミレニアムな時代のモチーフを縦横に展開しながら、通過儀礼なき今を生きる14歳の少年と、都会の生活に苛立つ29歳の叔父との交流を軸に、現代の孤独に迫る。

個性派俳優・筒井 道隆と、新人・細山田 隆人の競演

この映画には二人の主役がいる。“都会に生きる29歳のおじさん”には『バタアシ金魚』で鮮烈なデビューをかざり、以後独自の存在感を持つ個性派俳優として映画・テレビで活躍中の筒井 道隆。“故郷の町で自分をもてあます14歳の少年拓也”には、オーディションで選ばれ映画初出演となる細山田 隆人。恋人凜役に、つみき みほ。他に中嶋 朋子、宇崎 竜童、鈴木 ヒロミツなどの演技派の俳優が脇を固める。

ストーリーのイメージを鮮やかに喚起する映画音楽の魅力

「人を傷つけたいな……」まさに現代の青年たちの心情をそのまま歌う井上 陽水の『氷の世界』。また、日本映画で初めて楽曲の使用が許可されたピンク・フロイドの70年代のベスト曲『IF(もしも)…』、そしてテーマ曲にアシュレイ・マックアイザックの『MacDougall's Pride』を使用するなど、東監督の個性的な選曲による多彩で豊穣な音楽が、映画のストーリーをより正確に伝えている。