みつばちの大地

みつばちの大地
生命のつながりに起きていること―――

2012
監督:マークス・イムホーフ
ドイツ・オーストリア・スイス合作
ドイツ語・英語・中国語/91分/DCP/アメリカンビスタ
原題:MORE THAN HONEY

© 2012 zero one film / allegro film / Thelma Film & Ormenis Film

作品詳細

黄金色のはちみつから生命の未来が見える

緑豊かな大地と多くの生命を支えるミツバチを描き
人の暮らしのありかたを考える、傑作ドキュメンタリーの贈り物。

大昔からミツバチは花から花へ花粉を運び、地球上の生命を育んできた。人間もその恩恵を受けており、毎日の食卓を彩る野菜や果物など、私たちが口にしている食物の1/3はミツバチによって受粉されている。しかし現在、ミツバチが大量に死んだり、失踪したりする現象が世界中で起きている。ミツバチはなぜ消えたのか?祖父の代からミツバチに親しんできたスイスのイムホーフ監督がアメリカ、ドイツ、中国、オーストラリアなど世界各地をめぐり、その実情を丁寧に取材。祖父との記憶やミツバチへの愛情を織り交ぜながら、現在、人間の活動が地球の多様な生命のみならず自らの存在もおびやかしている現実を紡ぎ出す。それらは鋭い文明批評でもあり、小さな「いのち」を通して、自然と人間の持続可能な関係を問いかける必見のドキュメンタリーである。

最新の技術を駆使し、驚異的なマクロ撮影に成功。
小さないのち、ミツバチの知られざる生態、その神秘に迫る。

このドキュメンタリーの大きな魅力は、ミツバチの驚くべき生態を見事にとらえた実写のマクロ映像にある。ミツバチの活動が活発になる春に撮影は行われ、2年にわたって合計105時間の映像が収められた。イムホーフ監督は本作の主役ともいえるミツバチの撮影にあたり、専用のスタジオを用意した。本来は真っ暗闇の巣箱内に、黄金色に輝くミツバチの世界を作り出し、女王蜂誕生の瞬間やミツバチのダンスなど、普段は目に触れない巣箱内の様子を捉えた。そしてコロニーが一つの生命体として機能するミツバチの驚くべき知能と社会性を映像で明らかにした。また、ミニヘリコプターや無人偵察機に小型カメラを設置して、飛行中に行われる女王蜂の交尾を撮影。生命のダイナミズムを感じさせる映像は映画のハイライトの1つとなっている。